ふっくらつやつやの炊きたてごはん。
ふわっと広がる香りに、思わず「わあ!」と声が出る——そんな瞬間が訪れるのが、新米の季節です。
一年の中でほんの短い間だけ味わえる「特別なごはん」。
今回は、新米のことをやさしくご紹介します。
「新米」とは、その年に収穫されて年内(12月末ごろ)までに精米・出荷されたお米のこと。
つまり“とれたて・できたて”のフレッシュなお米なんです。
袋に書かれている「○年産」という表示を見れば、そのお米がいつの収穫なのかがわかります。
年明けを過ぎるころから出回るお米は「古米(こまい)」と呼ばれ、
水分が少し減って、しっかりとした食感になります。
新米はみずみずしくやわらか、甘みもたっぷり。
まさに“旬のお米”といえる味わいです。
日本は南北に長い国。
そのため、新米の収穫時期も地域によって少しずつ異なります。
| 地域 | 収穫時期の目安 |
| 沖縄・九州南部 | 8月下旬~ |
| 九州北部・近畿・東海・北陸 | 9月下旬~ |
| 関東・東北・北海道 | 10月上旬 |
南から北へと、まるでバトンを渡すように新米シーズンがやってきます。
お住まいの地域の“初もの”を待つのも楽しみのひとつですね。
精米したてのお米ほど風味が良いので、購入後は2週間〜1か月以内に食べるのがおすすめです。
新米は水分を多く含んでいるため、炊くときはいつもより1〜2mmほど水を少なめにしてみてください。
そうすると、お米の粒が立ったツヤのあるごはんに仕上がります。
お米を研ぐときの「最初の水」もとても大切。
お米は最初の水をいちばん吸うので、サッと研いでその水はすぐに捨てましょう。
ぬかの匂いを防いで、より香りよく炊き上がります。
最近は精米技術が進化しているので、水が透明になるまで何度も研ぐ必要はありません。
軽く2〜3回ほどすすぐくらいで十分です。
新米のやさしい香りを残してあげましょう。
つややかに光る新米を口に入れると、ほっとするような甘みが広がります。炊きたての香りとともに、「今年もこの季節が来たね」と感じるひととき。
おにぎりにしたり、旬の秋の味覚と合わせたり——
食卓を囲む時間を、ちょっと特別にしてくれるのが新米です。
新米の季節はほんのわずか。その一粒一粒に、自然の恵みとつくり手の想いが詰まっています。
ぜひ、今年の“ときめく一杯”を味わってみてください。